待っている方は「サンタ」?「東方の三博士」?あるいは…
皆さんもご存じだと思いますが、スペインをはじめヨーロッパの国々では二週間弱のクリスマス休みがあります。もともとキリスト教の文化の国々なので「クリスマス、聖家族の祝日、主の公現の祭日」まで家族や友達などと一緒に年末年始を過ごします。日本の年末年始の習慣と別に違いはありません。
ただし、一つだけ「三つの祝日」をお祝いする時、日本の習慣と違うところがあります。実はヨーロッパの国々ではクリスマスの「サンタクロース」より主の公現の「東方の三人の博士」たちの方がもっと有名です。当然なことですが、サンタクロースの始まりは19世紀のアメリカの学者クレメント・クラーク・ムーアがフィンランドの言い伝えを伝承した「聖ニクラウスの訪(おとな)い」という詩を書いたからと考えられるのですが、東方の三博士は4世紀のキリスト教の伝統からはじまります。
そのためか、3人の博士たちが幼子イエス様に3つの贈り物、プレゼントを捧げたので、ヨーロッパの子供たちには近代のサンタクロースより「主の公現の祝日」の東方の三博士をもっと楽しみに待っています。確かにインターネットで「los reyes de magos」、つまり「東方の三博士」というカーニバルを調べると人々が三人の博士のコスプレをして町全体をぐるぐるパレードをしながら歩道の子供たちをはじめ観覧客たちにキャンディーやチョコレート、クッキーなどを投げる姿が見ることができます。私もスペイン留学のときに学生の神父さんたちと一緒にカーニバルを見に行ったことがあります。その時、一行のある神父さんがばらまかれたお菓子をひっくり返した傘で全部うけるとたんに、イベントのスタッフから注意をされたので私の顔も赤くなった経験があります。四十代の神父さんもその時には子供のようになってしまう「主の公現の祝日」でした。
今回マドリードの市内ではカーニバルもパレードも子供たちの姿も消えることになったと聞きました。コロナウイルスのせいで教会をはじめ町全体で人々が集まることが禁止されたとのことです。何かを祝うためには人々が集まらないとできないのです。主が公に現れることも、東方から三人の博士が来て贈物を捧げながら礼拝した出来事です。今日の「主の公現の祝日」も私たちがこのように集まって幼子イエス様を記念しながら証人になったのです。ですが、ヨーロッパの国々では今、イエス様のご誕生や「聖家族の祝日」、今日の「主の公現の祝日」なども教会共同体をはじめ家族や友たちと共にお祝いすることができません。私たちはその国々の人々のために祈りしながら私たちが一つの心で応援していることを伝えましょう。教会からの「主の公現」の喜びと希望が神様に伝えられ、また神様のとりつぎによって混乱におちっている国々の人々にも伝えられることができますように願います。来年の「los reyes de magos」の祭りにはヨーロッパの子供たちがお菓子をいっぱいもらうことができますように神様の御助けを求めましょう。