私の息子???
「私には息子がいます」と告白したら皆さんはどう思われますか?びっくりするでしょう。「ええ!ありえない」、「何で神父さんに息子がいるの?」と疑いの目でみるでしょう。ですが、どうやって私に息子ができたのでしょうか?実は息子は息子ですが、「霊的な息子」です。私が彼の代父だからです。「あぁ!」と理解できたのではないでしょうか。
私が修道会に入る前、ある信者のお母さんに一つのことを約束しました。それは彼女の息子がカトリックの洗礼を受けるときに私が代父になることでした。どうしても自分の家族がマリア、ヨセフ、イエス様のように「聖家族」になりたかったそのお母さんは自分の夫にヨセフという洗礼名にしたのです。もちろんお母さんの洗礼名はマリアです。それで息子もイエスと名づけたいのですが、韓国教会の伝統では「イエス」という洗礼名が直接的に名付けることができないので、私は「インマヌエル」というイエス様の別の名前を推選して名づけました。いつかそのお母さんの息子が洗礼を受けるときには必ず霊的な父になると約束したのです。
その後、何年かが経って、私はイエズス会の神学生になりました。ある日、例のお母さんから電話が来て「いよいよ息子が洗礼を受けることになりました。約束を守ってください」という連絡が届きました。お母さんは私との約束をきちんと思い出して、あちらこちら尋ねまわって神学院まで連絡して来たのです。ですが、私はその約束を完全に忘れたし、修道士は誰かの代父にはなってはいけないという規則があるので少し迷いました。なぜなら司祭と修道士はすべての信者のための奉仕者なので個人的関係は避けるべきだと言われています。だからこそ誰かの個人的代父と代母にはなってはいけないのです。
がっかりするお母さんのことが気になって私の神学院長にこの件を相談した後、やっと特別許可をいただき、結局インマヌエルという唯一の息子ができたのです。今は、私の息子はステラという妻と結婚し、今年二月にはギュビンという息子を産んで別の家族を作りました。マリアお母さんの願い通りに息子も幸せな聖家族を作ったのでしょう。私との年の差があまりない、三十代の弟のような息子ですが、その家族がマリア、ヨセフ、イエス様のような聖家族になるためにお祈りやごミサを捧げながら私もパパとしての役割をやっています。
今日私たちが祝っている「聖家族の祝日」は聖書の中で書かれている物語りだけではないのです。どうしてもそのような聖家族になりたいと願えば、私たちの家族もできるのです。もちろん世の中は悩みや苦しみや混乱がいっぱいあるのですが、それらは彼女の願い、「神様、聖家族をお願いします」という切なる願いには比較できないことです。長年そのお母さんの「聖家族を作りたい」という願いを聞いてきた私が司祭になっても代父になるしか方法がなかった理由です。私たちもそのお母さんのように長い時間が経っても、夫と息子が洗礼を受けるまで、切に願ってみましょう。私たちの神様はきっと聞いてくださるから。それができるように神様の恵みとあわれみを願いましょう。